千葉市長選挙立候補者への質問状をお願いし、ご回答をいただきました
2021年3月22日令和3年3月19日
千葉市長選 候補者 様
千葉市4団体連絡会
千葉市手をつなぐ育成会
千葉市自閉症協会
特定非営利活動法人千葉市心身障がい者ワークホーム等連絡会
千葉市知的障害者福祉施設連絡協議会
千葉市長選立候補者への質問事項と回答
早春の候、千葉市長選にはご奮闘のこととご推察申し上げます。
さて、千葉市内の知的障害関係団体が4団体連絡会を立ち上げ12年目を迎えます。4団体連絡会は、千葉市において、障害のある方々が障害をもちながらも生き生きとした生活を日々過ごすことができるように、各団体との連携を持つことを目的としております。
過去3回の千葉市長選挙の折には、候補者の立会演説会も企画させていただき、候補者の障害者施策を直接うかがうことができました。しかし今回の選挙は新型コロナ禍にあり、立ち合い演説会が出来ないことから、障害福祉施策に関して各団体からの候補者への質問事項を取りまとめ提示させていただくこととしました。
選挙期間中のお忙しいところ、恐れ入りますが、下記の質問事項にご回答いただければ、幸いでございます。ご回答につきましては各団体を通じて団体の会員、障害者福祉関係者等にお流しする予定です。何卒ご協力を賜れれば幸いです。
【千葉市手をつなぐ育成会より質問】
千葉市手をつなぐ育成会は、知的障害のある子どもたちの親の会として昭和30年に発足いたしました。教育を求める運動から始まり、知的障害のある人とその家族が、生き生きと希望を持って暮らせるよう、広く社会の理解を得られるように活動を続けています。現在、会員数550名、賛助会員数50名ほどです。
住み慣れた地域で安心した暮らしを実現していくためには、更なる福祉の充実が求められますが、時代の変化に合わせた今後の福祉のあり方についてお考えをお聞かせください。そしてその暮らしの根底にあるべき、多様性を認め合う揺るぎない共生社会をどのように周知し構築していくのかも合わせてお聞かせください。
神谷候補者回答
障害のある人もない人も障害及び障害者に対する理解を深め、すべての障害者が生きづらさを感じることがない社会、そして障害者が住み慣れた地域で暮らし続けていくため、地域全体で障害者の生活を支える共生社会を実現していくべきと考えています。
共生社会の構築・理解促進に当たっては、東京オリンピックパラリンピック2020大会の開催を契機として、すべての障害者に対する市民の意識を変え、多様性を理解し尊重することができる共生社会の実現のため、市として行ってきた障害や障害者に対する理解を促進するための事業をレガシーとして今後もしっかりと継続していきます。
大野候補者回答
なし
小川候補回答
多くの方がまだまだ障害に対する知識や認識が乏しいことは否めません。まずは、周知に努めていかなければならないと思っております。そのためには、福祉という分野だけに留まらず、垣根を超えた活動が必要だと考えております。つまり、障害のある人もない人も一市民として市政全般に巻き込んでいきたいと思っております。私のスローガンは「ともに創る。」です。だからこそ、一緒に新しい共生社会のあり方を模索して欲しいと思います。
今回の選挙においても、まちづくりにインクルーシブデザインの概念を取り入れることを訴えておりますし、また、多文化共生を推進する国際局(部)を設立し、組織横断的な取り組みを推進していくことを公約に掲げております。
私、小川としゆきは、障害のある人もない人も一人の人間として尊重し、分け隔てなく、生き生きとした暮らせるまちづくりを目指し、これからも様々な取り組みを推進していきたいと思っております。
【千葉市自閉症協会より】
千葉市自閉症協会は、社団法人 日本自閉症協会の傘下に組織された、千葉市エリアの自閉症児者を家族に持つ親の会です。自閉症を正しく理解してもらうための啓発活動や自閉症の人たちが暮らしやすい社会を実現するため、関連機関への積極的な働きかけを行っています。
支援度の高い自閉症・発達障害の方々の支援は、年齢が小さい頃から実施していただくことが理想です。千葉市においては、美浜区に「千葉市療育センター」が乳幼児期の発達障害児を対象とした専門的な療育機関として機能していますが、千葉市の全域の自閉症児に対しての療育には限界があります。各区の保健福祉センターの機能として、相談・療育を含めた乳幼児期・児童期の本人・家族支援を充実することを検討いただきたい。
神谷候補者回答
発達障害に対する支援は重要な課題であり、相談支援体制の充実を図っていきたいと考えています。かかりつけ医等への研修を実施するなど、地域における発達障害への対応力を向上させ、身近な相談の場を増やすとともに、専門性の高い相談機関である発達障害者支援センターにおいては、成長に合わせた切れ目のない支援を行うほか利便性向上のためオンラインによる相談を実施します。
大野候補者回答
なし
小川候補者回答
ご要望としてしっかり受け止めます。自閉症や発達障害こそ、見た目にもわかりにくく、最も市民の皆様の理解が遅れているところと認識しております。支援の具体的な内容も含め、「ともに創る。」スローガンの下、一緒に検討してきたいと思います。
【特定活動非営利法人千葉市心身障がい者ワークホーム等連絡会より質問】
質問1)
「ワークホーム」は全国でもまれな形の千葉市独自の障がい者福祉制度であり、市内の各区に点在し地域福祉の最前線として活躍しています。希望する人に利用しやすい、利用者ひとりひとりに細かく対応できるなど多くの利点がありますので、今後も「ワークホーム」の存続をと支援を願っています。「ワークホーム」に対する考え方やその存続についてのお考えをお聞きしたいです。
神谷候補者回答
ワークホームは、利用者個々の状況に合わせた支援の場として地域福祉に貢献頂いており、今後もその活動を継続していただきたいと考えています。
大野候補者回答
低水準にある小規模作業所と地域活動支援センターに対する補助金を、当面就労継続支援事業の水準に引き上げることが必要と考えます。
小川候補者回答
「ワークホーム」は、障害者の居場所や互助機能、いきがいづくりなどの様々な機能を果たす、千葉市の誇るべき事業と認識しております。今後も事業継続に向けて、事業者や連絡会との連携を進めていきたいと考えております。
質問2)
現在、「ワークホーム」の利用者は障がい者手帳を持つ方、またはそれに準じて医者の診断がある方となっています。近年障がい者ではないものの、ひきこもりや社会に適応できにくい人が多くなり、地域での居場所を求めています。そのような人たちのための「居場所」としても既に有る「ワークホーム」が機能できれば良いと考えています。いかがお考えでしょうか。
神谷候補者回答
ひきこもりの長期化や高齢化が問題となっており、ひきこもり状態の方の社会参加や自立促進のためにもその居場所づくりは重要です。ワークホームがそうした居場所のひとつとして活用することが可能か検討していきます。
大野候補者回答
「居場所づくり」については必要と考えています。先進事例を調査研究して検討していきたいと考えています。
小川候補者回答
現在、社会問題になっているひきこもりの方や社会に適応しにくに方に対する支援や居場所づくりという観点から、ワークホームを活用することは、極めて有効な方策だと認識しております。ワークホーム運営のあり方や支援方法にも影響が出てくると思いますので、連絡会とのしっかり協議しながら検討を深めていきたいと考えております。
【千葉市知的障害者福祉施設連絡協議会より質問】
千葉市知的障害者福祉施設連絡協議会は、千葉市の知的関係32施設・事業所が加盟している協議会です。千葉市と連携し、障害者施策を推進、また、加盟施設との情報共有を目的としております。千葉市長選の度に、障害者を対象にした立ち合い演説会を開催して参りました。
この1年間、各施設・事業所は、新型コロナ感染予防対策を講じ、日々疲労困憊の中で、利用者・家族の安全・安心を第一に運営しております。新型コロナウイルスに限らず、様々な感染症・災害の際も、社会的弱者である障害のある方々が、この千葉市において、住みやすく・暮らしやすい街をつくっていただくことが私どもの願いです。
千葉市の障害者福祉施策を推進していただくためには、まず、私どものような「4団体連絡会」の声を、引き続き聴いていただく機会をもっていただくことができるのかを、おうかがいいたします。
神谷候補者回答
障害を持つ方々にとっても千葉市が住みやすい町であることは、まちづくりにおいて重要な要素であり、そのためには関係する方々との対話が不可欠と考えています。障害福祉施策の推進においても、引き続き関係する団体のご意見を伺う機会を設けていきます。
大野候補者回答
「4団体連絡会」のみなさんの声を聴く機会はもっていきます。
小川候補者回答
当然、今後も意見交換会を実施していく考えです。
私は、障害もある方もない方も誰も分け隔てなく、いきいきと暮らせる社会づくりを目指しております。どのように共生社会を構築していくか、「とも創る」ためには、団体様との意見交換は貴重なものと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。